大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

愛に奪われし心の書

ルネ王が1457年に著した物語の写本。ウィーンに残されている写本の前半部は最古の写本で16枚の挿絵が有名。後半部は前半と筆跡が異なり、1477年の年記が入れられている。前半と同様の装飾形式になっているが、28枚の挿絵の部分は空白のまま残されている。パリの国立図書館に残されている写本は1480年代に制作されたもの。本文は原本の姿を伝え、70枚の挿絵が入れられている。
ウィーンの写本は1460年頃に制作され、著者のルネ王が所持していた写本で、ルネ王が書き換えた後半部を1470年代末に取り替えた、と考えられている。ウィーンの写本の後半部を書き換えていること、誤写を正す書き込みがあることなどから、ルネ王自身が写本の制作、改変に関わっていたとされている。

世界美術大全集10 ゴシック2 1450年代